魚VS猫

脱走猫の中国人御夫婦の御近所さん。

猫を捕まえた後、会話らしい会話も成り立たないまま、なんとなくお暇いただき損ねてしまった私は玄関に立ち、どうしたものかと考えていました。ご主人は猫たちを連れて家の奥の方へ、私は玄関のたたきにたたずみ、一声かければ帰っていいよな～と思いながらも、なんと声をかけたらいいのやら・・・と頭を悩ませていました。

そして視線が向いたのがで～っかい水槽。幅1メートルじゃきかないです。1.3メートルくらいはあると思う。玄関ホールに置かれた背の低い重そうな中国家具の上にドドンと置かれた水槽の中をゆら～っと漂うのは「アロワナ！」だと思う。

かなりの大物です。銀色に光っています。高そう～～

とついつい魚好きな気持ちが騒いで、ちょっと足を進めて水槽に近づいて見ていたら、トトっと足音がして猫さまの登場。

と思ったら、スチャっと飛びあがり、中国家具の上の水槽の横にピッタリと寄り添うように立ってぐる～りと周りを歩いていきます。

うわっ、魚さん、逃げ場ないよ？

と思っていたら、今度はなんと水槽の上に！！

さすがに大型水槽だけあって、しっかりとした作りらしく、その重く巨大な猫さまが乗っても揺れることもないけれど、、、、見ている私はもうハラハラドキドキ。

そこへ御主人さまが登場。ふっと私の視線に気づいて猫さまをひょいっと水槽からツマミおろし、手に持っていたビニール袋をグイっと目の前に。

押しつけるようにされたので、おずおずと手を出して受け取ると、満足げにうなづいた御主人はドアへむけて私を押しだしたのでした。

解放された安堵となんだか得体のしれない不安と言うか不満を感じつつ退場し、家へ戻りました。

ビニールバッグの中身は粉っぽい中国菓子でした。味はおいしいのですが、とにかく粉？としかいいようがなかった。

魚さんの安全も猫さまの安全も気になった出来事でした。