それでも、

嫌いな臭いは覚えているらしい・・・・

というのは、
あずは見境なく誰にでも吠える犬ではあったのですが、とある人に対してはその吠え方がかなり執拗だったのです。追いすがり、興奮のあまり咳き込むほどに吠えかかってました。

そして、その臭いを今でも覚えているらしく、見えなくなった今も、その人が近くへくると、とたんに吠え始めます。見えていないので、なんだか変な方向を向いていたりするのですが、ションボリと垂れ下がっていた尻尾を振りちぎれんばかりに立てて、弱った足腰を踏ん張るようにしてガウガウと。

「何なの？そこまで嫌いなの？」と心で思いつつ、そっと抱き上げて落ち着かせようとしますが、興奮しているらしくなかなか治まらないほど。

昔、何かされたのかな？