プーリー

一度見たら忘れられない、強いウェーブと縄状の被毛に覆われたプーリーは、ハンガリー生まれの牧畜犬。遊牧民族のマジャール人が連れてきた犬を祖先に持つ。番犬として牧場や農場を守るとき、獲物目当てでやってくるオオカミの攻撃から身を守ったのが、この分厚いドレッドヘアーだった。

性格は明るくて優しく、子どもが大好き。特筆すべきはその学習能力だ。物覚えの良さは牧畜犬の中でも抜きんでており、しつけや訓練を苦にしない。むしろ好む傾向にあり、家庭でのしつけにも素直に従う。

被毛は、頭部はウェーブがかっており、目も見えないほど覆われている。ボディは短くカットしているとカール程度しか見られないが、長く伸ばすほど独特の縄が出現。体躯が完全に隠れる長さこそプーリーの魅力だが、それは同時に床のゴミを集めるモップの役割も果たすことに。コームなどで根気よくケアする覚悟が必要だ。

散歩は朝夕各30分ずつ程度だが、雨の日は考えもの。ドレッドヘアーは乾きにくくて中が蒸れやすく、皮膚病にかかる恐れがあるからだ。濡れた時は丁寧に乾かして、皮膚の通気性を良くするようにしたい。

そのドレッドヘアーに隠れて分からないものの、プーリーは非常に筋肉質な身体の持ち主。このボディと物覚えの良さを生かして、アジリティなどのドッグスポーツにも向いている。