ボルゾイ

原産はロシア。11世紀のフランスの年代記に、アンナ・イアロスラバ女史が３頭のボルゾイとともにロシアからフランスに嫁いだという記述がある。つまり、1000年以上前から現存している犬種で、時の皇帝や詩人など高貴な階級の人々に愛されてきたという歴史を持っている。

ハイクラスな人々に愛された理由のひとつに、その気品高い外見が挙げられる。四肢の長い抜群のプロポーションを誇り、貴公子然とした面長の顔立ちがその品位の高さを示している。

特に腹から腿にかけての筋肉が引き締まっており、動くものを見ると瞬時に走り出すような俊敏さがある。これは、20世紀に入ってボルゾイという名称になる前はロシアン・ウルフハウンドと呼ばれており、狼を狩る猟犬として活躍した名残り。現代でも、飼い主に対しては温和で愛情深いが、猫や鳥などに対しては猟犬としての鋭い目を向けるなど興奮することがある。

猟犬に共通した学習能力の高さがあるため、トレーニングは比較的簡単。しかし、その頭の良さ故に曖昧なトレーニングには応えない。目的と手段をしっかりと決め、毅然とした態度で接しないとリーダーとして認めてくれないなど、初心者が飼育するには難しい面もある。

ゆるやかにウェーブした美しい被毛は、毛玉になるのを防ぐためにも１日１回の丁寧なブラッシングが必要。手間をかければかけるだけ美しくなるので、スキンシップの意味も込めて手入れしてあげたい。