犬の病気
現在の犬の飼い方
一昔前まで犬は外で番犬代わりに飼われることが一般的でした。食事の内容も粗食で、外で飼われているため身体や皮膚も丈夫で、皮膚アレルギーなどの病気もさほど多くはありませんでした。しかし現在では室内飼いが主流に変わり、人間とより密接な関係を築くようになりました。食事の内容も見直され、より病気予防に特化し栄養を考慮されたドッグフードを与えられるようになりました。獣医療の発展も寄与し、犬の平均寿命は大きく伸びています。しかし現在の飼い方によって引き起こされる肥満やアレルギーなどの疾病、
室内で生活しているために起こる誤飲や誤食などの事故が増加していることも事実です。
ワクチン接種の必要性
犬の社会的地位の向上によって、飼育頭数も年々高まっています。それによって犬のための施設(動物病院やペットホテル、トリミングサロン、ドッグラン、ドッグカフェ)なども増加しています。犬の数が増えることで犬がかかる(もしくは媒介する)伝染病の予防処置自体がますます重要になりました。狂犬病予防ワクチンは年に1回、毎年摂取することが義務付けられています。また混合ワクチンの接種は任意ですが、その種類も犬種や犬の年齢、住んでいる地域によってさまざまです。現在の犬の状態によって接種するものも異なりますのでかかりつけの動物病院に相談することをおすすめします。
まだまだ怖いフィラリア症とどこにもいるノミやダニ蚊が生息する地域であれば、フィラリア症という病気は必ず予防しなければならない病気です。これは犬の心臓に寄生し、死に至らしめる恐ろしい病気です。室内飼いや室外飼いにかかわらず発症のリスクがあります。
それ以外にも外で散歩をする時に犬が興味を示す公園や茂みなどにはノミやダニをはじめ、多くの寄生虫が存在します。予防薬は動物病院で処方してもらえますので投与時期など詳しいことを相談するようにしてください。
生活スタイルの変化で急増する犬がかかりやすい病気
室内で過ごすことによって犬が化学物質に接触する頻度が増え、飼い主との距離が近くなったことで口にする食材の種類が増えました。それによって犬がかかるアレルギーの種類も増えています。犬を取り巻く環境の衛生化が進み、望ましいはずの改善によって皮膚アレルギーなど持病を持つ犬も見られるようになりました。また、ドッグフードの素材改善や獣医療の発展によって犬の寿命も長くなり、腫瘍や心疾患にかかることも多くなりました。今後はますます犬が生活する環境の改善は図られていくことでしょう。しかしそれによってこれまで起こり得なかった病気や事故が発生する可能性もあります。飼い主は常に犬の目線に立ち、正しい知識を持つ専門家と連携して、さまざまな状況から犬を守ってあげなくてはなりません。